漂泊の俳人「井上井月」の新句を宮田村で発見!
2022-06-11
宮田村南割の湯澤家から令和3年に寄託された、82点におよぶ様々な歴史的資料を調査研究していたところ、これらの資料群の中に、漂泊の俳人・井上井月の「新発見の俳句」が含まれていることが明らかとなりました。
▲寄託された屏風の左下部分に・・・
▲この俳句が今回発見された井上井月の句です。
新発見の俳句について
今回新たに見つかった井上井月の俳句は、高さ121.0㎝、横235.0㎝の四曲一隻の屏風(びょうぶ)に貼られていました。
この内、井月の俳句は縦45.2㎝、横6.5㎝の短冊状の紙に書かれています。紙は無地で、金箔や金砂子といった装飾は施されていません。元々短冊状に切った無地の紙に書かれたか、あるいは屏風に仕立てる際に短冊状に切り落とされたものと見られます。
ちなみにこの屏風は、いわゆる「貼り交ぜ屏風」と呼ばれるもので、様々な俳人や絵師による俳句・俳画・水墨画などが貼られていました。井月以外の作品の詳細は今のところ不明ですが、その多くは幕末~明治初期の、地元作家によるものと見られます。
俳句の内容
「亀なくや 寝ざめの里の 星明り 井月㊞」
【原文「亀なくや 寝さ免の里能 星明李 井月㊞」】
季語は「亀なく(亀鳴く)」で、春の季語です。
「まだ空には星明りが残る春の明け方、里ではようやく人々が眠りから覚める頃だが、辺り一帯は亀の鳴き声が聞こえるような、まだまだそんな静寂に包まれている」といった内容の句なのでしょう。
亀は実際には鳴きませんが、春の夜の静けさや昼ののどかさを表す季語として一般に用いられています。
6月10日には、メディア向けの新句発見の発表会を行い、多くの報道陣の方に来ていただきました。
この新句(屏風)は、6月25日(土)に行う「宮田本陣歴史まつり」で初公開します。
また、井月にまつわる講演会や映画「ほかいびと~伊那の井月~」の上映も実施。農産物の販売やお茶会体験・手作り石鹸体験など、さまざまな催し物もあります。ぜひご来場ください(一部申込が必要なプログラムがあります)。
詳細はこちらのページをチェックしてください。
https://www.vill.miyada.nagano.jp/topics/show/1115
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